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例題
次の記述のうち、正しいものを1つ選択せよ
ア GDPとはある国の国民が一定期間に生産した財・サービスの総価値額である
イ GDPとは一定期間に国内で生産された最終財の総価値額である
ウ GDPとはある国の国民が一定期間に生産した付加価値の合計である
エ GDPはある国の国民が一定期間に得る所得の合計額に等しい
オ GDPとは一定期間に国内で生産された中間財の総価値額である
解答例
イ
解説
一国の経済規模を表す方法として、GDP(Gross Domestic Product)、すなわち国内総生産を使うことがある。その定義は「一定期間(通常1年単位で測られることが多い)にある国内で生産された財・サービスの付加価値額の総計」である。定義から明らかなように、これは経済活動の累積結果をある時点で評価するストックの概念ではなく、ある期間に行われた経済活動を評価するフローの概念である。
GDPの定義を理解する上で、注意すべきなのは以下の点である。まず第1は、「ある国内で」という部分である。国民所得統計では、GDPとGNP(Gross National Product; 国民総生産)とを区別している。前者は生産者に関係なく、日本国内で生産された価値の総計であり、後者は生産される場所に関係なく、日本人(厳密には日本人でなくても国内に1年以上居住する経済主体を含む)の所得として計上されるものは全て含む場合をさす。第2は、何を生産されたものとみなすかということである。ここで「生産された」とは、各生産段階において「付加的に」生産されたという意味で使われている。GDPは単なる生産額の総計ではなく、各産業・企業が作り出す付加価値の総計の統計なのである。では、付加価値とは何か。付加価値とは生産主体が生産活動によって作り出す生産物の産出額から、その生産主体が購入した原材料、燃料、中間生産物など、全ての中間投入額を差し引いたものである。
いま、小麦粉を生産する農家、それを粉にする製粉業者、その粉でパンを作るパン屋のみからなる簡単な経済で付加価値についてもう少し考えるとしよう。
農家が小麦(300万円分)を生産して製粉業者に販売する。製粉業者は仕入れた小麦(300万円分)を原材料として小麦粉(500万円分)を生産し、それを仕入れたパン屋はその小麦粉(500万円分)を原材料としてパン(1000万円分)を生産して販売したとする。そうすると以下のようになる。

このように各段階で生み出された付加価値の合計は最終財の総価値額と一致するのである。
こうして生産活動によって新たに生み出された付加価値は、生産要素(土地、労働、資本)の提供者に対して、地代、賃金、利潤などの形で分配される。また、分配された所得は家計や企業、政府などの消費や投資に支出される。このように経済活動は「生産」→「分配」→「支出」という循環で捉えることができるが、これは同一の価値を異なる3つの側面から捉えたものなので理論的には三者は一致する。そこで国民所得統計においては、国内総生産を生産面からみようと、分配面(所得面)からみようと、支出面からみようと、全て等しい、つまり等価である。これを三面等価の原則という。
以上のことをふまえると、ア、ウ、エは、「国の国民」に限定しているので誤り、オは、「中間財の総価値額」が誤りであるといえる。よって、イが正しい。
投稿者 uchida
2006年01月23日17:37
[マクロ]
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