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2014.12.23 ゼミ活動報告

こんにちは、HP係のマソヨンです。
今回のゼミは、4限:文明間の対話・5限:4年の卒論中間報告でした。

4限の間は、図書館の本やインターネットを利用して調べる時間を持ちました。
最終ディスカッションに向けて頑張りましょう。

5限の卒論報告は、越沼舞さんでした。

越沼舞「ネパールにおけるマオイスト運動から見る多民族社会構造の課題と展開」

ネパールは100以上の少数民族が国民の7割を占めると言われる多民族国家です。民主化に至るまで、1996年から10年続いたマオイストによる武力闘争による内戦を経験しています。論文では、ネパールの民族多様性と社会構造を解き明かし、マオイストの勢力拡大要因と産物に注目して、未だ混乱の続くネパール社会が今後どうあるべきなのかを考えていく予定です。
基本的クエスチョンは以下の通りです。
 1.歴史的に貧農に不満を生じさせ続けてきた政治体制が、マオイストを農村社会に浸透させた要因と言われるが、それは真実か
 2.マオイズムは多民族国家であるネパール国民のアイデンティティ形成に役立ったのか否か。また、マオイズムのプラス面とマイナス面はどのようなものか
 3.内戦終結後もいまだ都市と農村の格差が著しいが、どのような国家開発が望ましいのか
中間発表では、第二章の「ネパール共産党毛沢東主義派(マオイスト)とは」の一部を取り上げました。
ネパール共産党毛沢東主義派は1995年に結成されたネパールの政党の一つで、最大野党です。毛沢東の暴力による革命的共産主義を受け継ぎ、王政の廃止と平等社会の実現を掲げて民衆を引き込み軍を組織し、武装闘争を繰り広げました。特徴として、思想・人民政府・人民解放軍(兵士)の3つがあげられます。発表では、思想と軍の二つに触れました。
まず、思想です。階級社会の無い平等社会をめざし、「ネパールの実情に合った毛沢東主義」を掲げました。ネパール毛沢東主義の独自性は、民主主義的であることです。国王の権利を国民に譲渡するための新憲法制定、貧富やカースト・男女の性差別のない平等主義の国会を実現するための選挙、政党間の競争を自由にした暫定政府設立を提唱しました。彼らの、貧富格差解消・カースト制度撤廃・国王制の廃止などの「不平等問題解決」という考えは、貧しい民衆を惹きつけました。そして、支配地域に独自の人民政府や学校を設置し、徴税や飲酒禁止活動を行いました。
次に、軍や兵士についてです。マオイストの組織構造は極端であり、党・人民政府幹部は高位カーストや高学歴の男性が大半、兵士は学歴の無い農民の若者が占めました。マオイストの活動拠点は、特に昔からカースト制度に苦しめられてきた人々が多い西ネパールでした。西ネパールの若者は、政府への不信感、現金収入を得られる仕事がないこと、紛争の憎悪が憎悪を呼ぶことなどの理由から人民解放軍になると証言しています。
一方で、政府の弾圧を受けてきたマオイストが、非支持者の一般市民を弾圧するという実態もあります。例えば、リンチや殺害、巨額の徴税と食料納付の強制などです。このため、恐怖心によってマオイストになる者も多数いると言われています。
民主化のために暴力が過激化したネパールですが、政治に無智な国民が思想によって団結することの光と影を探り、再び紛争の惨禍を引き起こさないように必要な政治体制や国際社会の援助の在り方を検証していきます。

皆さん、2014年最後のゼミ、お疲れ様でした。
Happy New Year★

投稿者 student1
2014年12月23日18:00 [週刊押村ゼミ]