海外から認識する日本と日本人
福井 由香里 (2004年卒)
University of Maryland, School of Public Policy 卒業 (2006年)
今年5月にめでたく大学院を卒業し、現在米国において環境関連NPO/NGOを中心として仕事探し中です。つい最近まで国際政治経済学部のwebsiteに海外からのお便りコーナーがあることを知らなかったけれど、たまたま私の大学に短期研修で20人の学部生がやってきて、このコーナーのことを知らされたので、書いてみようという気になりました(本当は引率の某先生に頼まれてしまったのだけれど)。アメリカの大学生活が過酷なことは既に広く知られていることだと思うので、それよりも、今回はメリーランドで認識した「意外に日本(人)って知られていない」ことについて書いてみたいと思います。
「アメリカの最重要同盟国、経済世界第二位、このところ日本人俳優がハリウッドに進出しているし、ジブリの映画も世界進出しているし・・・。」なんて、世界の人々、特にアメリカ人が日本についてよく知っていると思ったら大間違い。このことは青学在学中に交換留学で行ったシアトルではあまり気づかなかった。米西海岸は距離的に近いこともあって日本人がたくさんいるからだと思う。日本食のレストランも多い。それに対して東海岸のメリーランドや最も近い大都市であり首都でもあるワシントンDCには意外に日本人が少ない。DCの街で日本人を見かけることはほとんどないし、メリーランド大学の3万人以上の学生のなか、日本人は百人足らずといわれている。最初の1年間、私の学部での日本人は私一人だった。そのため、そこら中にウジャウジャいる中国人と違ってかなり珍しがられていい気分だったが、少し失望感も味わった。大学院ともなると、さすがにみんな日本がどこにあるのかくらいは知っている。しかし、SONYやFuji Filmといった一流企業が日本出身であること、東京の地下鉄がNYのそれよりも複雑であること、日本の通貨が円であること、日本語でYesは「はい」であること、その他いろいろなことを、みんなは知らない。「はい」に関していえば、ある日私の携帯に日本人から電話がかかってきて「はい、はい」と返事をしているのを聞いていた私の親友が「I thought Yukari became crazy」と言うのである。聞いてみると「Hi! Hi!」と何十回も繰り返し挨拶をしているのかと思ったそうで・・・。日本人についても侍時代の日本のイメージが強いらしく、日本人の女性は静かで従順だと思っていたらしい。男に向かって平然と怒鳴り返し、Partyでは酒を飲みまくる私を見て、ところがどっこいといった感じか。そんな友達に正しく説明するために、私自身、日本人が何であるかを考えなければならないことがしばしばあった。
メリーランド大学の図書館にはプランゲ文庫というものがある。そこには戦後(1945−49)にGHQの民間検閲局が日本の出版物を検閲した際の、約600,000枚に及ぶ検閲関連文書が保存されている。そのプランゲ文庫に先述の夏期研修中の青学生が見学に来た。この頃は学力低下が叫ばれているし、冷めた子が多いので、こういうものにどこまで興味を持つか疑問だったけれど、ことのほか興奮して帰っていった。私の時もそうだったけれど、日本から遠く離れたこの地で日本を学ぶことの意外さが一役買ったのだと思う。日本で普段「日本は平和だ」とか「日本は戦争に負け、アメリカによって作り直された」とかいう話を聞き飽きるほど聞かされていると、それが当然の事実になっていて、感じることや考えることをしなくなっている。それが、遠くアメリカに来て、日本にすら残っていない戦後間もない日本を目の当たりにすることによって、「なぜそこまで大事に保存しているのだろう」という疑問がわいてくる。
普段日本にいて当然に映って見える日本や日本人、更に言えば自分自身が、外からの視点を知ることによって、当然ではないことを思い知る。「なぜ?」という言葉が次から次へと飛び出してくる。答えが見つからなくてもいい。海外を知ることもそうだが、客観的に日本を考えるようになることも、海外生活の醍醐味だと思う。距離的にも文化的にも日本に近いようで近くないアメリカ東海岸は、そういう醍醐味を味わえる場所だと思う。そして、この地で20歳前後の青学生の初々しい感動を見ることができて、なんとも新鮮な2週間だった。学生のみなさん、どうもありがとう。久しぶりに日本のおいしい食事にありついて、とことん日本に感謝してください。
Category: from U.S.A Posted by at 2006年8月17日 23:03
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突然、お邪魔し失礼致します。
私は日本で行政書士という仕事をしておりまして、国際法務に関心があります。
たまたま仕事上の調べ物をしていたらこちらのblogを見つけ、興味深く読ませていただきました。
更新、楽しみにしております。
Posted by: 桝屋 可恵 at 2006年11月 5日 01:06
お久しぶりです!覚えてますか?今年(もう去年だ!)の夏休みに、たまたま短期研修でいろいろお世話になった20人のうちの一人です!自称ローラの親友です!あの二週間はほんと毎日が夢のように過ぎて行って、ほんとに「アメリカに行ったのか」とたまに思ってしまいます!けれど、机に張ってあるティムとかジーウォンとかとの写真見て夢じゃないことに気づきます!!あの時はほんとお世話になりました!ありがとうごさいます!!ローラは元気です!うっちー先生も元気です!
Posted by: 島添 鉄也 at 2007年1月24日 00:06
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突然、お邪魔し失礼致します。
Posted by: 桝屋 可恵 at 2006年11月 5日 01:06私は日本で行政書士という仕事をしておりまして、国際法務に関心があります。
たまたま仕事上の調べ物をしていたらこちらのblogを見つけ、興味深く読ませていただきました。
更新、楽しみにしております。