UPDATED : FRIDAY, SEPTEMBER 5, 2014

国際研究センター

2014年7月 2日

8月3日 国際規範形成における行動基準をめぐる解釈の対立―「保護する責任」を事例として―

国際研究センター研究会


日時
2014年8月3日(日)15:00-18:00


場所
青山学院大学8号館4階国際研究センター会議室

発表1.
グローバルな規範の生成と伝播 ―規範ライフサイクルモデルを超えて―
足立研幾
立命館大学国際関係学部 教授


発表2.
国際規範形成における行動基準をめぐる解釈の対立 ―「保護する責任」を事例として―
志村真弓
東京大学大学院 総合文化研究科 博士課程


司会 和田洋典 国際政治経済学部 准教授


発表1. 要旨
 近年、国際政治における「規範」の重要性を指摘する研究は増加している。しかし、規範に関する研究は個別事例研究の積み重ねの段階にとどまり理論的に体系立っているわけではない。本報告では、これまで行われてきた国際政治における規範研究に足りないものを指摘し、そこを埋める作業を行う。その際、兵器使用をめぐる規範を事例に取り上げる。国際政治学における規範研究において、安全保障問題が取り上げられることはまれである。国家の存亡に関わる安全保障分野においては、規範の影響は最も小さくなり、国家は生存追求を第一に行動すると考えられてきたからである。従来の規範研究の理論的問題点に留意しつつ、兵器使用に関する規範がいかに形成されてきたのかを検証し、さらに兵器使用をめぐる規範がいかなる役割を果たしてきたのかを検討すること、これが本報告の目的である。

≪関連参考文献≫
足立研幾「新たな規範の伝播失敗 ――規範起業家と規範守護者の相互作用から」『国際政治』176号,2014年.


発表2. 要旨
 冷戦後の国際社会は、一国内の人道危機の発生に際して、「過剰な介入」(適切な武力行使をめぐる論争)と「過小な介入」(人権侵害の放置をめぐる論争)の両方の課題を抱えることとなった。2005年に国連総会で採択された「保護する責任」概念は、同概念に関する加盟国の合意を背景に、それが人道危機に際する国際社会の行動基準として機能することを期待されてきた。しかし、原則的な合意形成から10年目を迎えようとする現在も、たとえばシリア内戦に対する各国の言動に明らかなように、「保護する責任」概念をめぐる各国の解釈論争は続いている。本報告は、こうした「保護する責任」を事例として、国際規範の形成過程に繰り返される関係諸国間の解釈対立について理論的分析を行う。「保護する責任」の場合、これに同意する最終的な主体は国家であった。この点に着目することで、同概念の論理が、領域主権国家にとって受け入れやすい「補完性(complementarity)原則」と「必要(necessity)原則」に基づいて再構成された経緯を明らかにする。次いで、これらの原則が、諸国が多様な解釈を許される原因として働いている点を指摘する。こうした考察を通して、解釈競合を規範の形成途上に特有の現象とみなす先行研究とは異なる見解を示したい。

≪関連参考文献≫
志村真弓「『保護する責任』をめぐる行動基準論争
――補完性原則と必要性原則の政治学的分析」
『国際政治』第176号(2014年3月).


参加申込先:国際研究センターe-mail : rsc@sipeb.aoyama.ac.jp


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