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「ゼミ生に期待するもの」
土山 實男
ゼミは教師から直に学問的な知識や考え方を学ぶというだけでなく、教師からいわば専門家の卵としての訓練を受けるプログラムである。また、なかなか個々の学生に注意を払って教育することが容易ではない今の日本の大学教育のなかでは、教師と学生とが人間的な触れあいのなかで学ぶことができるゼミ教育は、大学のなかの贅沢な時間といってよい。
人によって違いはあるものの、たとえゼミに入るときには気がつかなくても、大学を卒業してから、ゼミで何をやったか、それを誰のゼミで学んだかということがその人の考え方や、場合によっては人生の選択にまで大きな影響を及ぼすことがある。結局、学生のときに何を考えていたかが、後になってみると人の一生を決めるような気がしてならない。今から10数年前に、東京のデパートで開かれた京都美術学校出身者の卒業作品展を覗きに行った際に面白く思ったことは、彼らが美大を卒業する時には、福田平八郎は福田の画風を、石田正のヌードは石田の、また加山又造は加山の画風をはっきりともっていることである。
土山ゼミがどのような考え、あるいは特色をもってきたのか、今あらためて振り返ってみて考えると、次のようなことが言えるかもしれない。第一に、国際政治を考える対象にしているが、とくにそのなかでも国家戦略と安全保障に中心を置いている。現代の国際政治を動かす力がどこにあり、誰がそれをもっているのか。第二、何でも考えるには理論が要る。国際政治も例外ではない。理論の一つはひろくリアリズムといわれるものを重視しているが、その他にもビへービアリズム(行動主義)にも注意を払っている。プロスぺクト理論やいろいろな意思決定理論を学ぶ。第三に、日本がこれらの領域でいままでどうしてきたのか、そして、これからどうすべきなのかを考えている。理論倒れに陥らず政策指向になるように心がけてきた。
このゼミの出身者の多くは、銀行、生命/損害保険、自動車などの企業に多くが入っているが、なかには防衛省、経済産業省、埼玉県庁、ジェトロなどの官公庁や、毎日、日経、共同通信、NHK、ロイター通信などのマスコミに行った者、公認会計士になった者も多くはないがいる。また、大学院に進学した者も多い。たとえばイギリスのロンドン、ケント、クイーンズ、米国のスタンフォード、ピッツバーグ、シラキュース、モントレー、ニュースクール、そして国内の青山学院、一橋、筑波、慶応などで、ピッツバーグや一橋には何人も進学している。ニュースクールからは昨年P.h Dを取得したゼミ出身者もいる。
先頃行われたゼミ連主催のバレーボール大会で本ゼミが優勝したように、このゼミは勉強ばかりしているわけではない。楽しいゼミになるようにとこころがけている。
投稿者 student4
2008年08月21日18:14
[土山實男教授]
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