青山学院大学国際政治経済学部
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小山花子(青山学院大学国際政治経済学部助教)

 初めまして。土山ゼミOGの小山花子です。今回は、ブログに載せてくださるそうで、どうもありがとうございます。
 
 私が初めて土山先生を知るという機会を得たのは、厚木キャンパスがあった頃です。アメリカの国際政治学の最先端の理論を教えてくれる先生として、1年生の間で評判になっていました。私は国際政治学科で、政治学を学びたいと思っていましたので、土山先生がどんなことを教えてくださるのか、興味を持ちました。そこで2年生のときに実際に授業をとってみると、内容は予想を上回る面白さでした。特に私の関心をひいたのは、「国際政治学者は、世の中をこういうレンズで見ている」、「○○という学者は、実は××はこんな法則で動くといっている」といった説明の数々でした。理解したい現象(「対象」)があり、そして、そのためのツールとして「理論」というものが存在するという学問の基本的なスタンスを、この時に初めて強く意識するようになったと思います。そして、そのような理論というものを、もっともっと知りたいと思うようになりました。そんなわけで、この授業をきっかけとして、土山ゼミを志望することに決めました。

 実際にゼミに入ると、期待を裏切らない充実したゼミでした。私たちがゼミで読んだのは、Helen MilnerのAnarchy in International Relations Theoryや、LeaBrilmayerのAmerican Hegemonyからアナーキーの章、Jack SneiderのMyth of EmpireのThree Theories of Overexpansion、Michael Sheehanの勢力均衡論、他にはCharles W. Kegley Jr.、James N. Rosenau、Paul W. Shroederです。皆で分担して読み、レジュメを作って報告をしました。ゼミで課せられる論文は難しく、とりあえずレジュメを作って報告したものの、内容について聞かれると答えに詰まってしまうゼミ生に対して、先生は、「ここわかりましたか?」と聞きながら、いつでも優しく丁寧に解説してくださいました。

 面白いことに土山ゼミに所属したことで、他のゼミや学者の先生方にも興味を持つようになりました。例えば当時は、永井陽之助教授もいらっしゃり、これらの2人の日本のリアリストの先生方の間でどんな会話がされているのか、私たちは興味津々だったものです。永井ゼミのゼミ生と連絡を取り合い、「土山先生は今日こんなことを言われた!」「でも永井先生は、こんなふうにおっしゃっている!」などと言って、学生同士で盛り上がっていました。こんなふうに土山ゼミを外から眺めることで、ますます土山ゼミが面白くなり、非常に開放的な雰囲気の中で勉強することができたのは、土山ゼミを選んだ大きなメリットの1つだったと思います。

 国際政治学のリアリズムといえば、政治思想家であるトーマス・ホッブズやマキアベリの名前が知られていますが、先生の刺激的なホッブズ講義に影響されたのか、私はその後、政治思想を勉強したいと思うようになり、大学院に入って政治思想の研究を始めましたが、土山ゼミへの参加は、理論へのこだわりや、海外の研究者とのタブーなき交流など、私の学問上の理想の根本部分を形作るものだったと思います。特に、卒業後すぐに役に立ったのは、英語の論文をコンスタントに読んだ経験です。当時、いくら英語が好きだったとはいえ、専門的な英語の論文を1本読むのは骨の折れるものでした。しかし、土山ゼミでの経験を通じて、次第に慣れていき、大学院に入る頃には抵抗なく読めるようになっていました。よく、外国語の学習には興味のある分野のテキスト(例えば小説でも)を読むのが一番効率的であるなどと言いますが、土山先生がゼミ中に色々と面白いことを話してくださったので、当時、論文を読むのがそれほど苦痛ではなくなっていたことを思い出します。先生が言及された、国際政治学者を悩ます難問に対する「答え」が、その論文の中に潜んでいるのではないかと考えるようになったからです。さらには、そうしたプロセスの中で、自分もまたこの難問の解決に参画しているような、まるで自分が一流の学者の仲間入りをしたような思い込みが生まれ(本当は単に論文を読んでいるだけなのですが)、とりあえず論文を読むのはあまり苦痛ではなくなっていました。その後、アメリカの大学院に進んで、1回の授業につき300~400ページ、1週間では1000ページ以上のリーディングが課されたときも、なんとかこなすことができたのは、土山ゼミで論文を読むための基本的な体力を養ったおかげだと思っています。
 
 土山ゼミでの日々を振り返ると、とにかく思い出すのは、一生懸命レジュメを作ったこと、そして、先生がそれをきちんと読んでくださったということです。また、先生が、ゼミ生からの質問に対して、いつでも真剣に答えてくださったということです。疑問がうやむやにされることはなく、納得の行くまでとことん説明してくださいました。とても誠意のある先生だったと思っています。皆さんも、土山ゼミでの研鑽の日々を通じて、学びとは何か、そして大学生活の意味とは何かといったことについて、考えるきっかけを見つけられたらと思っています。

投稿者 student4
2008年9月 1日02:11 [卒業生から] | コメント (0)

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