UPDATED : THURSDAY, JULY 4, 2013

外交・国際公務等指導室

2010年5月31日

2004年度卒 岸川昌平先輩

外交官を志す後輩たちへ
外交・国際公務等指導室第20期生
岸川 昌平

1.経歴
2005年3月 青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科卒
2007年3月 上智大学大学院地球環境学研究科博士前期課程修了
同年4月 外務省入省
同年5月 外務省国際協力局気候変動室

2.動機
私が幼い頃は、ベルリンの壁の崩壊を象徴とする冷戦の終結、イラクによるクウェート侵攻と湾岸戦争、ユーゴスラビアやルワンダに代表される民族紛争の頻発など、国際社会のダイナミズムが強く表れた時代でした。私と同年代の子供達が、戦争で親を失い途方に暮れている映像や、栄養を十分に摂取できずに痩せ細っている映像などを毎日のようにテレビを通して目にし、国際社会が抱える深刻な問題を強く意識しました。そのような経緯から、将来は国際的な仕事に就き、貧困問題などの地球規模の課題に対して解決の一役を担いたいと思い、本学に入学しました。
青山学院大学の国際政治経済学部は、当時の日本では唯一と言っていいほど、国際政治学関連の著名な先生方が揃っており、国際社会で活躍したいと考えている私にとってはまさに最高の場所でした。そして、外交・国際公務等指導室に入室し、ニューヨークの国連日本政府代表部をはじめ世界中の在外公館で活躍されている先輩方とお会いし、そして先輩方の背中に憧れ、自分も外交官になってやるぞと思い立ったのです。

3.試験勉強
指導室では、外務省専門職員採用試験の試験科目である憲法学、国際法学、経済学の基礎から応用まで幅広く勉強しました。一年次は基礎理論、二年次からは演習、三年次以降は答案練習を行ったと記憶しています。
試験勉強というと、ややもすると条文や判例の暗記作業に陥りがちですが、私の経験ではこれらはほとんど必要なく、もっぱら基礎理論を体得することに集中した方が良いでしょう。むしろ、予備校などで行うような模範答案の暗記などは、近年の自分の頭で考えさせるような問題に対応することが難しく、効率的ではありません。
参考までに、私の試験合格までのスケジューリングを記します。
一年次より指導室で基礎理論、演習、答案練習と勉強してきましたが、いちいち条文や判例などを一度も暗記せずに、純粋に学問として楽しく勉強してきました。そして、大学院に入学し、地球環境学という社会科学と自然科学の両者を研究する身になり、専門職の試験勉強からは全く遠のいてしまいました。更にその後、故あって、勉強が全くできない環境になってしまい、2006年6月中旬の試験に向けて、同年の2月から試験勉強を開始することになってしまいました。その時の心境は、なかなか表現しにくいですが、就職活動をするには遅すぎるし、そして本格的な試験勉強をするには完全に遅れたタイミングでしたので、自分の将来に強い焦りを感じていました。
そのような境遇の中、私が最も意識したのは、基礎理論のみの体得です。2月から5月下旬までは、市販されている大手予備校の模範答案などを見ずに、ただひたすら教科書的な文献を隅々まで読み込み、体得することのみに集中しました。この3-4カ月の間に、芦部先生の憲法学や小寺先生他編の国際法学の教科書など10冊程度を、15回程通して読んだと記憶しています。そして、5月の中旬くらいから一般教養試験の勉強、6月に入ってから答案の論理構成を意識し始め、6月中旬の試験本番を迎えました。
答案の構成内容は、まず、基礎的な理論に判例を交えながら8割ほど記述しました。私の考えでは、基礎理論をしっかり叩き込んであれば、この時点で合格点に達せられるのではないかと思います。そして、残りの2割は、体得した基礎理論に沿った自分の意見を論じました。ここでは、私はあえて、採点者に若者らしさをアピールするような意見を論じるよう意識しました。例年、著名な学者が採点を行うことになっていますが、専門分野を何十年も研究している先生方は、予備校の模範答案丸写しのような答案や、学者気取りで大上段に構えた答案よりも、若者らしい熱意を反映した答案の方が快く感じてくれる方が多いと思います。基礎理論を論じる時点で、ある程度の点数は約束されていますから、ここでは落ち着きそして熱意のある意見を論じ、他の受験者との差異化に専念しました。
外務省専門職員採用試験に限らず、学問でもスポーツでも、最も大事なことは基礎を体得することです。基礎さえ体得していれば、あとは自分の頭で考えることができます。むしろ、近年の司法試験や国家公務員の試験では、いかに自分の頭で考えているかが大事なポイントとなっています。そして、基礎的な学習には常に反復が必要であり、反復すればするほど自分の土台は広くなり、そして安定し、しっかりした自分の考えを示すことができるでしょう。

4.後輩たちへ
今振り返ると、私の学部生時代は普通の学生と同じようにアルバイトや旅行に行ったりしました。毎日勉強している学生が正しいかのような印象を持ってしまいがちですが、外交官や国連職員などは異なる意見を持つ利害関係者の意見をまとめたり、他国の代表と交渉しなくてはなりません。これら職務をこなすためには、協調性と熱意、そして体力が必要であり、教科書に書いてある勉強だけでは全く不十分で、大学生らしい生活をおくり、より多くの事を経験することが何よりも大切です。
そして、最も大事なことは、日本の国益の為に、更にはより良い国際社会の実現のために、自分は貢献するんだという強い意志を常に持ち続けることです。その気持ちを常に忘れず、日々学生らしく楽しく過ごし、よく遊び、そしてよく勉強すれば、外交官や国連職員をはじめ各々が志す将来の実現は、それほど困難ではないように思います
現在、外交官や国連職員として世界中で活躍されている先輩方も、数年前は普通の大学生と同じように学生生活を過ごし、外交・国際公務等指導室で同じように勉強してきました。今でも指導室には、より良い国際社会の実現を志す若い学生達が集まり、お互いを切磋琢磨できる素晴らしい環境があります。四年後の自分がどのような道を歩んでいるか、自分が理想とする将来像を常に忘れずに、初心貫徹で頑張ってください。



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